こんにちは、みるです。今回は「英和辞典の使い方」についてお話したいと思います。
本業で小学生から大人まで英語をメインに教えているのですが、中学生以上のほとんどの方は紙の英和辞典もしくは電子辞書を持っています。もしお持ちでなくても、最近はWebで調べることもできますね。
しかし、大半の方が辞書の見かた、使い方を知らずに「持っているだけ、ただ検索しただけ」の状態になっていて、非常にもったいないと感じています。
そこで、今回はいわゆる「辞書を引く」ことを効率的にすること、また英和辞典を活用する方法についてお話します。英語の和訳や解釈のコツがきっと掴めますよ。
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「辞書を引く」って一体何なのか
私は中学生の時は紙の辞書、高校生の時は電子辞書を使っていました。正直、今は便利な時代なので、電子辞書にこだわる必要ではないというのが個人的な意見です。でも、いずれにせよ単語の持っているイメージを把握することは大切だと考えます。
まず辞書というのは、「だいたいこんな意味で使われるよ」ということをまとめた本です。つまり、状況によってはいわゆる「意訳」になったりすることもあるわけで、辞書の意味が絶対ではありません。そもそも、英語を無理やり日本語に訳しているわけですから、英語の単語と日本語の単語の意味がぴったり一致しないこともよくあります。(当然ですが流行りの言葉は正しい解釈が載っていないことも多いです。)
辞書を引くことは単語のもつイメージを把握するのにとても役に立ちますが、その意味だけを見て使うのはかなり危険、ということを理解してください。文章は流れが大切なので、日本語訳や英訳がへんてこにならないように意識してみましょう。
「辞書を引く」時に気をつけてほしいこと
辞書をひく時に、そのままの単語の形で調べてしまう人がたくさんいます。
これを防ぐためには、まず調べたい単語の文の中での役割と元の形を考える癖をつけることです。三単現や複数形のS、過去形、過去分詞形、比較級、最上級など気をつけなければいけないことはたくさんありますが、それがわかっていれば品詞もわかります。
次のような例文を見てみましょう。意味はわかりますか?
例)We discussed the plan.
ここで、discussedってなんだろう?と思ってそのまま調べてしまうとおそらくでてきません。コツは「元の形を考えること」でしたね。これは過去形になっていそうなので、edをとってあげて動詞のdiscussを調べてあげればよさそうです。
もう一つ例文を見ていきましょう。
例)They long for peace.
ここで気づいてほしいのは、longは「長い」という形容詞の意味ではないということです。
ここがよくわからない人は、下にある英語の文の基本を確認してください。
主語のTheyの次にいるから動詞と考えるのが自然ですね。longの動詞の意味を調べると、「切望する」などと出てきます。つまり、「彼らは平和を待ち望んでいる」といった意味になるわけです。
・動詞はbe動詞と一般動詞はそのままの形では共存しないもちろん例外はありますが、それは文法の中で順に勉強していきます。
最後に熟語です。少し難しいですが頑張ってみましょう。
例)I'm looking for my purse.
be動詞+〜ingは進行形といって、動作が続いていることを表します。purseはお財布のこと。あとは単語自体はわかるとは思うのですが、そのまま訳すとなんだか変な感じになってしまいます。
ここで、熟語かも、ということに気づけるととてもいいです。熟語にはいろいろなパターンがあり、今回の場合は「動詞+前置詞」です。look for ~という形で調べてみましょう。「〜を探す」という意味がここではよさそうです。ということで、私はお財布を探しています、という意味になりましたね。
このように「自分が何を知りたいのか」を明確にすることが、英語に限らず勉強の中で大事なことかなと思います。意味を調べたことだけに満足しないで、それで本当に意味が通るのかまで確認しましょう。
辞書の見かた
では、辞書の項目を確認していきましょう。
発音記号・変化
よく生徒さんから「わからない」「読めない」と言われるのが発音記号です。発音記号は、ひらがなやカタカナを使わずに発音を表現できる優れものですが、私も真剣に学習しなかったように思います。辞書を引いているうちに、音と記号の対応を覚えていった感じです。最近では、発音自体がついている辞書が多いので、不要な場合も多いと思いますが、細かい発音を注意するのであれば少し気にしてみてもいいかもしれません。
また、品詞によっては変化が掲載されているものもあります。例えば、三単現のSの付き方、動詞の過去形・過去分詞形、形容詞や副詞の比較級や最上級などですね。初めて見る単語はかんたんにこの辺りの使い方も見ておくといいでしょう。
原義とは
生徒さんが単語の意味として勘違いしやすいのがこの【原義】です。原義は読んで字のごとく「もとの意味」ですから、単語ができた元を表しているにすぎません。つまり、原義は単語のイメージの元であって、単語の意味そのものではないこともしばしば。注意しましょう。
ただし、このイメージというのが単語を覚える時に大活躍することもあります。「漢字の成り立ち」のように参考になる部分もあるかと思いますので、覚えられない単語や始めて見た単語はここもチェックしてみるといいと思います。
可算名詞と不可算名詞
名詞のところに出てきます。可算名詞はC、不可算名詞はUと書いてあることが多いです。単語によっては、意味によってC/Uが変わる場合があります。つまり、a ~と書かれている単語を調べたいときはその単語のCのところの使い方を見ればいいわけです。
※この辺りは概念の問題なので難しいところもありますが、そもそも可算名詞ってなんだっけ?という方は以下の記事をご覧ください。
自動詞と他動詞、文型
動詞については、まず自動詞と他動詞で分けられます。自、他などと書かれている辞書が多いでしょうか。自動詞というのは、自分だけで意味が成立する動詞のことです。例えばgo、comeなど。動作の対象等を示したいときは前置詞を伴います。対して他動詞は、動作の対象を伴って意味を成す言葉です。例えばvisitなど。動詞によってはどちらの使い方もある場合があります。
文型は、その意味で使われる時の形を表したものです。たとえば、ある動詞を調べていて、[S V O from ~ing]と書かれていたら、【主語】【動詞<調べた動詞>】【目的語(動作の対象)】from【動名詞】という形になることがわかります。
多義語
厄介なのがこの多義語です。これは、綴りが一緒なのに言葉が違うものですね。たまたま綴りが一緒になってしまったものが多いのかなと思います。品詞の違いにも注意したいところです。
紙の辞書、電子辞書、オンライン辞書でいずれも項目が分かれていることが多いです。目印として単語の右上に小さい数字がついている事が多いです。(例:lie1)これを見落としてしまうと、全然違う意味の単語の意味を眺めてしまうことになるので、ぜひ注意してみてください。特に電子辞書は特定の項目を押してしまうと他の見出しが見えなくなってしまうものが多いように思うので、数字に注意です!
熟語・イディオム
熟語・イディオムというのは、セットで使われてある程度特別な意味を持っている組み合わせのことです。多くは動詞と前置詞のセットだったりするわけですが、なかなかそれに気づけないということもあります。
なんだか意味がしっくりこないぞ?という時は、この熟語・イディオムかも、と考えてみてください。紙の辞書であれば、単語の項目の後ろの方に、検索機能があるものであれば成句や熟語検索ができるものが多いと思います。電子辞書だと単語と単語の間に「&」を入れる仕様が多いかと思うのでお試しください。
口語・俗語
辞書に<口><俗>と書かれているのを見たことはありませんか?これは、口語、俗語の略で、主に話し言葉の中や正式ではないカジュアルな場で使われやすい言葉であることを示しています。米、英などと書かれていればそれぞれアメリカ英語、イギリス英語を指しています。
この辺りは、流行りも出やすいところなので、辞書よりもウェブで検索してしまったほうがしっくりくる意味を発見できるのが早いかもしれません。
ワンランクアップの辞書の活用方法
ここからはワンランク上を目指した辞書の活用方法をお教えします。
例文を利用する
例文というのは、その単語の意味を反映していてわかりやすい文を提示していてくれることが多く、自分でどう使うのかというお手本にもなります。
ちょっと単語を調べたついでに例文を利用するといいでしょう。
また、検索ができる場合には、例文もかなり役に立ちます。イディオムというほどではないが、よく使われる組み合わせ、などもわかるからです。こちらもぜひ利用してみてください。
同義語・反意語にも目を通す
語彙を広げてくれるのが、この同義語・反意語です。すでに知っているものがあれば調べた単語はその仲間だと認識できますし、新しい単語があれば覚えるきっかけにもなります。
英語は、繰り返し同じ言葉を使うことを基本的には避ける言語ですので、語彙力、つまり言葉のレパートリーが重要です。このため、自分の中での言葉のネットワークを広げていくことが重要だと思います。
番外編:細かいニュアンスを掴むなら英英辞書を活用せよ!
少し英和辞典からは話がずれますが、英英辞書を併用すると細かいニュアンスや英和辞典には載っていない使い方に出会えることもあります。毎回英英辞書を使っていると大変かもしれないですが、気が向いた時に覗いてみるとおもしろいですよ。
まとめ
英語を教えていて、辞書の使い方を教える機会がとても多かったので、この記事を書いてみました。
最初に書いたように、辞書は万能ではありません。しかし、たくさんのことを教えてくれる存在でもあります。
ぜひ、辞書をフル活用してみてください!