この記事に掲載されている情報は2024年度4月実施分の英検S-CBTまでの旧形式のものです。リニューアル後の新形式の情報については順次更新していきますので、いましばらくお待ち下さい。
こんにちは、みるです。
先日、英検準1級を受験してきました。十数年ぶりに英検を受けたのもあり、大緊張でしたが、なんとか合格することができました!
ということで今回は、英検準1級の一次試験のレベルやリーディング・リスニングの各パート対策、当日気づいたことについてまとめてみます。
Contents
英検準1級一次試験のレベル・合格目安は?
英検準1級の難易度は「大学中級程度」とされています。
英検2級までで高校英語の基本的な文法は抑えているので、新たな文法事項が出てくるというよりも語彙力、文章全体の把握の力や文章を構成する力を問われています。
合格目安は全体の7割程度の正答率です。各パートで平均してこれくらいの正答率であれば合格可能です。自分の苦手分野を把握して対策していくようにしましょう。
英検準1級の一次試験の構成
では、英検準1級の一次試験の構成を確認していきましょう。
一次試験の構成
『英検公式サイト 英検準1級の試験内容』をもとに記載しています。
また過去1年分(3回分)の過去問及び解答も公式サイトから閲覧することができます。
筆記90分とリスニング約30分の構成です。
※測定技能略語
R:リーディング
W:ライティング
L:リスニング
測定技能 | 形式 | 問題数 | 解答形式 |
R | 短文の語句 空欄補充 |
25 | 4択 |
R | 長文の語句 空欄補充 |
6 | 4択 |
R | 長文の内容 一致選択 |
10 | 4択 |
W | 英作文 | 1 | 記述式 |
L | 会話の内容 一致選択 |
12 | 4択 |
L | 文の内容 一致選択 |
12 | 4択 |
L | Real-life形式の内容 一致選択 |
5 | 4択 |
Real-life形式については、この後の各問題の解説で詳しく内容を見ていきます。
リーディングパート
ライティングパート
リスニングパート
最後のQuestionに対する答えを選ぶ問題です。
英検準1級一次試験の合格のコツ
試験の構成がわかったところで、ここからは一次試験の対策を考えていきます。
時間配分を決めよう
本番で慌てないためにも、時間配分を決めておくのが大切です。
以下に一例を示します。
大問 | 問題数 | 時間の目安 |
1 | 25 | 20分 |
2 | 6 | 10分 |
3 | 10 | 20分 |
4(英作文) | 1 | 30分 |
以上計80分、見直しの時間を10分として計算しています。
ご自分の得意不得意を考慮して調整してみてください。
リーディングパート対策
まずは、リーディングパート対策から見ていきましょう。
必要な文法は?
英検2級までの学習で、必要な文法はほぼカバーできています。
したがって、英検準1級で新しく学習する文法というのはないと考えていいと思います。
久しぶりに英検を受験する方など、英検2級までの文法の習得が怪しいかも...という方は、この機会にぜひ復習をされるといいと思います。
大問1
大問1は短文の空欄補充問題です。
英検2級までとは違い、文法問題の出題はありません。
問題は単語を選ぶものと5問程度の熟語を選ぶものがあります。
計25問とリーディングパートの中で占める割合が高いので、やはり押さえておく必要があると思います。
単語帳はさまざまなものが出ていますが、ここでは私が使っていた英検準1級 でる順パス単 (旺文社英検書)を紹介します。
①すきま時間に知っている単語と知らない単語を分ける。知らない単語にはチェック印をする。
1日に短い時間でいいので何回か見る。特にノルマは設けず、できるときにできるだけ進める。
③覚えられたと思ったらチェック印を二重線で消す。
④1周したらどうしても覚えられていない単語を紙に書く。
※覚えられたと思っても少し時間が経つと忘れてしまうことがあるため。
大問2
文の空欄箇所に文の一部を当てはめる問題です。
250語程度の長文が2つ、それぞれに空欄が3箇所ずつの計6問出題されます。
文意が取れていればそこまで難易度の高い問題ではないと思います。
ただし、接続詞等の語句を空欄に入れる問題の場合は、その使い方をよく理解している必要があるので、苦手な方はおさらいしておくといいと思います。
日本語の文章でもそうですが、接続詞は問題に直接関係がなくても文の流れを把握するのにとても便利ですので、注目して解いてみると文全体の把握がしやすくなりますよ。
大問3
リーディングパートで集中力と読解力が求められる大問です。
文章は3つあり、おおよその語数は1つ目が300語、2つ目が400語、3つ目が500語と後に行けば行くほど長くなります。
おすすめの解き方は設問を先に読んでしまうことです。
基本的に文の流れに沿って問題が作成されていますので、1問ずつ解いていって根拠を見つけたら次の問題の設問を読む、というスタイルでも読み間違えることはかなり少ないと思います。
1つの段落に対して1問設問があることも多いので、該当箇所を探すのに苦労することはあまりないと思います。
その他のコツとしては以下のものが挙げられます。
・選択肢では本文中の表現が言い換えられていることがあることに注意する。
・よくわからない単語は前後関係から推測する。
・~, or ...などの形でわからない単語があった場合、どちらかの単語がわかっていればほぼ同様の意味や同列のことを言っているはずなので、「だいたいこんなことを言っている」と考えればOK。
リスニングパート対策
ここからはリスニングパートの対策を見ていきたいと思います。
まず、リスニングパート全体で注意したいのが、「聞き逃しても潔く諦める」ことです。悩んでしまうと次以降の問題に響いてしまうので、仕方がないと諦めることも肝心です。
考えても答えがわかるものでもないのに、私も悩んでしまって実際に数問落としました。非常にもったいないですね。やはり本番に臨む気持ちで過去問や予想問題を解いてみるのが大切ですね。
また、解き方は好みがあると思いますが、選択肢は先読みしておくことをおすすめします。例えば、選択肢の文が途中まで一緒のときは、違う部分だけ印をつけておくと何を聞けばいいのか明確になります。いろいろな解き方を試してみて自分にあったものを選びましょう。
では、問題ごとの対策も見ていきましょう。
Part 1
100語程度の会話と質問が流れ、答えを選択肢から選ぶ問題です。
選択肢を先読みできていると聞いている途中でも答えがわかる問題が多いですが、気を抜かずに最後の質問までしっかり聞きましょう。
復習の際には聞き取れなかった単語・フレーズをチェックします。意味がわからなければ調べ、発音の問題でよくわからなかった場合には同じように発音できるように練習してみてください。Part 1では日常生活に関連したシーンが多く登場するので、慣用表現などもチェックしておくとよいでしょう。
Part 2
150前後のタイトル+英文を聞き、内容に関する2つの質問に答える問題です。
選択肢のみが問題冊子に印刷されています。
ここでも、選択肢を先読みできていると心強いです。
基本的に文章の前半から1問、後半から1問という形式になっているので、文章を聞きながら問題の推測が可能な場合もあります。
注意点としては以下のようなものが挙げられます。
特にこの分野が出やすい、ということもあまりなく、いろいろな事柄が話題になりえます。あなたにあまり馴染みのない話でも興味を持って聞くようにしましょう。・あえてあまり知られていない固有名詞を出してくることもある
タイトルから「固有名詞のみ」というケースもあります。聞き取れなかった、聞き逃したと思わずに、話の全体から何についての話をしているのかを推測しながら聞いていきましょう。・選択肢の形もこれといって決まっていない
選択肢で使われる文法もこれといって決まっていません。説明で使われている英文を言い換えているものも多く、内容をきちんと理解している必要があります。正しい選択肢を短い時間で選ぶには、文法の苦手部分を潰しておく必要があります。
Part 3
2級までにはない、Real-life形式の問題になります。
Real-life形式についてもう一度おさらいしておくと、日常生活や実生活で聞くような状況の英文を聞いて条件にあった答えを選択する問題です。
アナウンスや留守番電話の伝言、自動音声案内などが流れ、自分の状況にあった選択肢を選びます。
この問題の特徴は、
・自分の状況に関する説明
・問題文
・選択肢
がすべて印刷されていることです。
例えば何かの予約をしたいときに、自分の都合と相手の都合が合うかどうか確認してどこで予約が取れるかを考えます。この問題では、まさに自分の状況に即して適切な選択肢を選ぶことができるかを問われているわけです。
対策としては、与えられる10秒の先読みの間に情報を整理しておくことです。Situationに自分の譲れない条件が記載されていれば必ずそこが鍵になってきます。
問題文も選択肢も印刷されているわけですから、商品名のような固有名詞を聞き取ればいいのか、指示された行動を取ればいいのかは瞬時に判断可能かと思います。
問題と問題の間の時間もありますので、焦らずに取り組めば余裕をもって回答できます。
おまけ
使用した教材
私が使用した教材を参考までにご紹介します。
まずは、公式サイトからの過去問3回分です。解答もスクリプトもついているので傾向を知るだけならこれで十分です。時間のない方は演習はこれだけでもいいかと思います。
単語帳はすでにご紹介した英検準1級 でる順パス単 (旺文社英検書)を使用していました。覚えていない単語の見出しをアプリで管理できるのが気に入っています。
当日気づいたこと
最後に、当日気づいたことなどをおまけとして記載しておきたいと思います。
・(会場によるかもしれないですが)自由席でした。TOEICの席指定に慣れすぎていて驚いたのですが、もちろんリスニングが聞きやすそうなところを選びました。いい席を取りたい方はお早めに。
・時間ギリギリで来る方、トイレ等で事前準備中やリーディング中に途中退出する方が多く、結構バタバタでした。英検は割と時間に余裕のある試験ですので、慌てずに集中して取り組んでください。
・試験開始前に合図があり、問題用紙のシールを開封していいとのことでした。このシールがミシン目がきちんと入っていているのもあり、慌てずに準備することができました。
・これも会場によるとは思いますが、私の受験した部屋では大学生以上が大半でした。アラサー(?)の私が最年長くらいだった気がします。大体の年齢幅で区分されているのかなあと思いました。
・スタッフの方はあまり慣れていない印象でした。英検は開催回数が少ないのもあり、誘導や事前準備がうまくいっていない場合もあるかと思うので、疑問に思った点は近くのスタッフに気軽に聞いてみてもいいと思います。
まとめ
今回は英検準1級の一次試験のレベル感、リーディング対策、リスニング対策と当日気づいたことについてまとめました。
私が今回勉強して思ったのが、「準1級の単語、結構難しい...」ということでした。ビジネスシーンが多いTOEICとはまた違う単語のチョイスで、かなり勉強になりました。
単語を覚える方法については私なりの方法をご紹介しましたが、これから勉強される方、単語が覚えられないと思っても、諦めず繰り返し頭に入れてみてください。きっとあなたに合った方法が見つかると思います。
英検準1級合格をめざす方、頑張ってください!応援しています。